公正証書について
公正証書について
公正証書は、公証人が作成を希望される方(嘱託人)のご依頼により、作成します。遺言や任意後見契約、離婚、金銭の貸借、土地・建物の賃貸借契約、事実実験などに関して作成されます。
公正証書は、法律の専門家である公証人が、法律に従って作成する公文書です。私人が作成した文書を私文書といいますが、公正証書は、私文書に比べて高い証明力があり、裁判等において公正証書があれば極めて有利になります。その上、金銭債務に関して、期限までに履行がなければ、直ちに強制執行を受けても異議がないとする文言(強制執行認諾文言)が記載されていれば、不履行となった場合に裁判をしないで債務者の財産を差し押さえるなど、強制執行できる強い力を持っています。
一般的な公正証書作成の手順
1 事前相談
公正証書の作成を嘱託しようとされる方またはその方から依頼を受けた方に役場までお越しいただくか、又は電話やメール等により、作成される公正証書の概要の説明をしていただきます。そのときに、作成される内容のメモ等を用意していただくとよりスムーズに公証人にお考えが伝わります。この段階で必要書類が揃っていることが望ましいのですが、絶対に必要ということはありません。ただ、作成日までには全部の必要書類が揃っている必要があります。
2 文案の作成
公証人が嘱託される方のご意向を確認して公正証書の文案(原稿)を作成し、その文案を嘱託される方に見ていただきます。文案をお渡しする方法は、役場までお越しいただく、郵送する、フアックス送信するなどの方法があります。
3 作成日時の調整等
文案の内容が間違いなければ、公正証書を完成させる日時を調整させていただきます。文案の内容に修正すべき点があれば、公証人がその点を確認させていただき、文案を修正してもう一度嘱託された方に見ていただきます。
4 公正証書の作成(完成)・保存
作成日に嘱託される方(契約の場合は両当事者あるいは代理人)に役場までお出でいただいて、内容の最終確認をしていただいた上、署名押印(原則として実印が必要です。)していただき、公正証書を完成させます。そして、公正証書の正本あるいは謄本を嘱託人あるいは代理人にお渡しし、公正証書の原本は役場に法律で定められた期間保存します。
5 作成に要する期間
公正証書の内容や必要書類の揃い方などにより異なりますが、事前相談から完成まで、早ければ3日くらい、通常は1週間くらいです。
委任状について
ご本人ではなく、代理人が役場に来られて公正証書を作成する場合は、ご本人からその代理人宛の委任状が必要です。一般的な公正証書作成の委任状は以下のとおりです。なお、作成する公正証書や認証の種類によって必要な委任状の様式は若干異なります。そこで、それぞれの説明箇所に個別にサンプルを示していますのでご覧ください。
一般的な委任状のサンプル
委任状
住所
氏名
私は、上記の者を代理人と定め、次の権限を委任します。
1 別紙契約条項に基づき、強制執行認諾文言を付した公正証書作成を嘱託することに関する一切の件。
2 上記公正証書の執行文付与・送達に関する一切の件。
令和 年 月 日
住所
氏名実印
※委任状には委任する事項を具体的に記載してください。契約条項を記載した文書を委任状に添付し、各ページに割り印をするか、もしくは袋綴じをして割り印するのが最も良い方法です。
手数料について
必要な手数料は、法務省が定めた手数料令によって決められています。したがって、役場によって手数料が異なるということは原則としてありません。
作成する公正証書の内容や認証の種類等によって異なりますが、基本的な手数料の計算方法は下記のとおりです。
また、それぞれの説明箇所に個別に手数料の額を説明していますのでご覧ください。その他、手数料の詳細については、日本公証人連合会のホームページに掲載しています。この八重洲公証役場のホームページの「リンク」を開けるとご覧いただくことができます。
なお、手数料の支払いは、現金払いが原則ですが、一定の場合には公正証書作成後や認証後に振り込みによってしていただくことも可能ですのでご相談下さい。
手数料
- 公正証書の作成
- 法律行為の公正証書
- 遺言の公正証書
相続人と受遺者ごとにその人が受ける財産の総額を目的価額として、上記の表によって算定した手数料の合算額。
その合算額が1億円以下の場合は11000円を加算。
祭祀主宰者の指定は11000円。
遺言の撤回は原則として11000円。
秘密証書遺言は11000円。 - 任意後見契約の公正証書
基本手数料は11,000円。
登録嘱託手数料は1400円、登記のための印紙代は2,600円。 - 事実実験公正証書
事実実験とその録取及び公正証書の作成に要した時間1時間ごとに11,000円。
休日又は午後7時から翌日午前7時までになされたときは、2分の1を加算。 - その他
ア 法律行為の公正証書原本の枚数が4枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円加算。正本及び謄本は1枚ごとに250円。
イ 役場外での執務は、日当20000円(4時間以内は10000円)。交通費実費。
ウ 病床加算(例えば、遺言者が入院しているため、病院で公正証書を作成する場合)は、通常の手数料額にその2分の1を加算。
目的の価額 手数料 100万円以下 5,000円 100万円を超え200万円以下 7,000円 200万円を超え500万円以下 11,000円 500万円を超え1,000万円以下 17,000円 1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円 3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円 5000万円を超え1億円以下 43,000円 1億円を超えるものは、5,000万円までごとに、3億円までは13,000円、10億円までは11,000円、10億円を超える場合は8,000円を、それぞれ43,000 円に加算する。 価額の算定ができないもの 11,000円 - 私署証書の認証
- 証明書等
日本文は5,500円、外国文は11,500円。 - 委任状
日本文は3,500円、外国文は9,500円。 - 議事録
23,000円。 - 謄本認証
5,000円。 - 宣誓認証
日本文は11,000円、外国文は17,000円。
- 証明書等
- 定款認証
50,000円。別途40,000円の収入印紙が必要ですので、あらかじめ郵便局でご購入ください。その他に、1枚250円の謄本作成費用がかかります。 - 電子定款の認証
50,000円。収入印紙は必要ありません。 - 確定日付の付与
700円。 - 執行文の付与
1700円。 - 正本・謄本の交付
1枚につき250円。 - 正本等の送達
1,400円。